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聖なる山、トレッキングの山 -国立公園 人と自然(番外編6)リンジャニ山国立公園(インドネシア) [   国立公園 人と自然]

 リンジャニ山(Gunung Rinjani)は、インドネシアのロンボック島北部にそびえるインドネシア第三位の高峰の火山である。標高は、3726mというから、日本の富士山(3776m)よりちょうど50m低いことになる。富士山ほどの秀麗さはないが、火山性の独立峰のため、島の多くの地点、さらには近隣のバリ島などからも、その姿を望むことができる。s-リンジャニ山DSC00608.jpg

 まさにロンボック島のシンボル的存在だ。そして、島の人々(サッサク族)からは、古くから聖なる山として崇められてきた。そこには神が宿ると考え、林産物などの利用、その他で入山する際には神に入山の許しを得る儀式を行っていた。リンジャニとは、古語で“神”を意味するという。

 そのリンジャニ山を中心とする41,330haの地域が、1997年に国立公園に指定された。山全体は、亜高山性の熱帯林から高山植生、サバンナなどの植生タイプに覆われているが、山頂域は火山礫に覆われ、エーデルワイスの一種をみることができる。エボニー・リーフモンキー、ホエジカ、センザンコウ、カンムリワシなど、固有種を含む多くの動物も生息している。

 s-リンジャニ山DSC00563.jpg現在のリンジャニ山頂は、大規模なカルデラ壁の最高峰の部分である。カルデラ壁に囲まれて、セガラ・アナク(Segara Anak)湖がある。水面標高は約2200mで、硫黄分を含んでいる。また、湖近くには、温泉が川となって流れ出ており、登山者は温泉浴気分を味わうこともできる。日本の富士山同様に火山礫の山頂登山道は、3歩進んで2歩下がるといった調子だ。疲れた足と土埃まみれの体を癒し清めるのにちょうどよい。この湖に接して、1990年代の数度の噴火により隆起した溶岩ドーム、新火山(Gunung Baru)がある。

 s-ポーターDSC00335.jpgこの聖なる山も、現在はトレッキングコースとして、インドネシア各地からの若者だけではなく、世界中からのトレッカーを魅了している。地元社会への利益還元と自然保護のため、国立公園当局と地元とで、リンジャニトレック管理委員会を立ち上げ、リンジャニトレックセンターを運営して情報提供などを行っている。登山(入山)のためには、国立公園入園料のほか、このトレックセンター運営協力費を支払い、地元ガイドあるいはポーター(荷物運搬)を伴わなければ登山できない規則となっている。運営協力費は、清掃や遭難救助などに充てられている。公園当局や地元団体ではエコツーリズムを推進しているというが、見る限りは単なるトレッキングのようだ。

 ロンボック島の隣のバリ島にも、アグン山があり、やはり信仰対象となっている。日本にも、富士山をはじめ多くの信仰対象の山々がある。人々の生活を見守り、多くの恵み(山の幸)を与えてくれる山は、地元の人々の信仰の対象であり、聖なる場所でもある。いつまでもこの聖なる山を汚すことなく、国立公園の保全と利用、そして地元の人々の生活が続くことを祈りたい。s-アグン山日没DSC00583.jpg

 (写真上) リンジャニ山の山容(スンバルン側から)
 (写真中上)カルデラ湖セガラ・アナクとリンジャニ山頂(湖右側に新火山)
 (写真中下)独特の振り分けカゴでトレッキング客の荷物を運ぶ地元住民ポーター(足元はゴムゾウリ、一般のインドネシア登山者もゴムゾウリが多い)
 (写真下) アグン山(バリ島)(左のシルエット)と日没(スナル側ルートより)

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コメント 2

mimimomo

こんにちは^^
hんとうに富士山と似た山容ですね~
素敵です。わたくしもアジアの山に登ろうと計画しています。
by mimimomo (2012-09-02 17:54) 

staka

〇〇富士は、世界中にありますね。米国シアトルの日系人が呼んだタコマ富士(レーニア山)が有名ですが。
アジアの山行楽しんでください。ブログ報告楽しみにしています。
by staka (2012-11-21 00:14) 

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