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どこんじょう 震災にめげずに巨木フォーラム開催 [巨樹・巨木]

 10月29日、30日の両日、茨城県常陸太田市で「第24回巨木を語ろう全国フォーラム」が開催された。震災にめげずに、震災復興の象徴として、地元が一丸となり、熱意と期待を込めた開催だ。開催地の常陸太田市では、大震災により民家の屋根瓦が崩落したり、壁などに亀裂が入った建物も多かった。フォーラム会場となった市民交流センターでも、天井や内壁が崩落するなどの被害が生じた。

 その後も大規模な余震が続く中で、市民は自宅の修復とに追われ、原発事故の放射線汚染に不安を募らせていた。また会場の修復もままならず、フォーラムまでに工事が完了するかどうかも危ぶまれていた。フォーラム実行委員会では、一時は開催の断念も検討されたという。フォーラム共催者「全国巨樹・巨木林の会」会長の私も、無理なお願いをするわけにもいかず、地元での状況判断を待つ日々が続いた。

 s-巨樹モニュメント01078.jpgフォーラム実行委員会から開催の最終決定の朗報が届いたのは、夏を迎える頃だった。フォーラム開催を震災復興の起爆剤、シンボルにしたいとの願いからだ。開催まで3カ月を切る中での決断だった。全国巨樹・巨木林の会でも早速、全国の会員に開催の連絡をするなど、応援態勢に入った。

 こうして迎えた開催日、会場の入り口で参加者たちを出迎えたのは、「どこんじょう 巨樹」の手作りモニュメントだ。震災にもめげずにフォーラムを開催する市民のエネルギーを、風雪にも耐えて生き残ってきた巨樹に託したものだ。

 巨木フォーラムで特に感動したのは、地元の瑞竜(ずいりゅう)小学校55名の生徒全員の熱演による創作ミュージカル「命の輝き~瑞桜と共に」だ。小学校の校庭に植えられていた桜(現在、幹回り3.6m、高さ15m)は、祖父や父親の代から生徒を見守ってきた。

 しかし、木造校舎の鉄筋化に際して伐採されそうになった。校庭の中央を占拠する桜は、校舎建て替えや校庭の有効利用に邪魔なのだ。伐採の危機を救ったのは卒業生や在校生の熱意だった。こうして校庭中央に残った桜は、瑞竜小学校の"瑞"と桜から「瑞桜(ずいおう)」と命名された。現在では、新入生を迎えて満開の桜の下で全校生徒で記念写真を撮ったり、お花見給食も行われている。これからも、桜の下で遊ぶ子供たちを見守ることだろう。

 s-瑞桜01092.jpg市民の皆さんにも支えられ、「巨木フォーラム」も「第18回全国巨樹・巨木林の会総会」も、そして年に1回巨樹を愛する人々が集う交流会も、盛会裏に終了した。翌日の「巨木めぐりツアー」では、行く先々で地元の皆さんの心温まるおもてなしがあった。また、このフォーラムを機会に新たなカシの巨樹も発見された。

 未曾有の震災とその後の放射線汚染の風評被害からの復興の起爆剤となることへの主催者の願いも、全国から参集した会員、参加した地元の皆さんの熱意で実現したのではないだろうか。「巨木フォーラム」を契機に、ふるさとを再発見、再認識し、それがふるさとへの愛着と誇りに繋がってほしい。そして、幾多の困難の中を生き抜いてきた巨樹のように、震災から復興して発展してほしい。

 巨木めぐりツアーで出会った多くの巨樹を支えてきた人びと、そして瑞桜に見守られて育った多くの子供たち、こうした人びとと巨樹との交流が末永く続くことを切に願う。巨樹は、現代社会の効率性や金銭価値だけでない、人間にとってもっと大切なものがあることを教えてくれる。

 (写真上)どこんじょう 巨樹発信モニュメント(巨木フォーラム会場にて)(常陸太田市)
 (写真下)瑞竜小学校校庭中央で堂々と枝を張る「瑞桜(ずいおう)」(常陸太田市)

 (関連ブログ記事)
 「巨木フォーラムと水墨画雪村
 「震災復興への思いを込めて 被災地での巨木フォーラム
 「巨木フォーラム inつるぎ町 -巨樹王国を支える人びとの熱き想い
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mimimomo

大きな桜。
この頃割合『ちょっと邪魔』と言うことで切られていく木がありますね。
この大きな桜が残って(今ではもっと大きくなってますね)よかったです。
by mimimomo (2015-06-21 11:52) 

staka

mimimomoさん
落ち葉や日陰、毛虫など苦情が出て、切られてしまう巨木も多いですね。総論賛成、各論反対ですね。
by staka (2015-06-21 19:40) 

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