So-net無料ブログ作成
検索選択
前の3件 | -

ル・コルビュジエの世界 ― 祝 世界遺産登録 国立西洋美術館 [日記・雑感]

去る7月17日、イスタンブール(トルコ)で開催されていた「世界遺産委員会」で「ル・コルビュジェの建築作品」が世界遺産に登録されることが決まった。
トルコ軍クーデター未遂事件のあおりを受け、当初の予定より1日遅れての決定だ。

世界遺産登録が決まった作品群は世界7か国の17作品で、近代建築運動に大きな影響を与えた(顕著な貢献)のがその理由だ。

世界に散らばる建築物を一つの世界遺産としたのは初めて。
この中には、上野の国立西洋美術館(東京都台東区)が含まれている。

s-DSC01258.jpg


日本で16件目の文化遺産で、自然遺産を含めると20件目の世界遺産となる。
このところ日本では、毎年世界遺産が登録されている。

登録決定の報を受けて、地元では東京都で初となる世界遺産の祝賀ムードが大いに高まっているという。
決定翌日には、国立美術館前は開館時間前から長蛇の列だったそうだ。

ル・コルビュジエの建築作品は、身近に見られるコンクリート打ちっぱなしなどの鉄筋コンクリート建築の先駆的な役割を担ったもので、外壁がなく柱で支えるピロティ形式や屋上庭園など、現在では当たり前の合理的・機能的なデザインを提唱したとされている。

まだ登録決定前だったけれど、6月の「カラヴァッジョ展」の際に撮影してきた。

s-DSC01497.jpg


西洋美術館の外観にも、ピロティやスロープなどのデザインが盛り込まれている。

s-DSC01235.jpg


外観だけではない。内部にも折れ曲がった長いスロープや太い円柱、光を取り入れる天窓などがある。

s-DSC01238.jpg

s-DSC01241.jpg


通常の美術館であれば展示面を広くとるべき壁面の前に、やはり円柱がある。

s-DSC01246.jpg


専門家に言わせれば、部屋の中に突き出た柱を無粋といってはいけないらしい。

窓も、それまでの中世建築の小窓とは異なり、全面ガラスで大きく開放的だ。

s-DSC01254.jpg

私は建築の専門家ではないから詳細は分からないが、やはり普通の展示空間とは違う、そこが良いのだろう??

そして、前記のように現代では当たり前の建築様式を先駆けた点が、高く評価されたということだろう。

さらに建築模型は、その複雑な構造と無限に展示空間を拡大(増設)できる設計を示している。

s-DSC01242.jpg


私は世界遺産は世界遺産でも、どちらかといえば自然遺産が専門だ。

それでも、国立西洋美術館が世界文化遺産の仲間入りをしてくれたおかげで、期せずして私の世界遺産歴訪数がまた一つ増えた。


帰りには、ブログでどなたかが紹介していた上野アメ横近くの肉屋さんのメンチカツ定食を食した。

s-DSC01259.jpg


ブログ記事のおかげで、美術展と世界遺産訪問だけではなく、食の楽しみ・思い出も加えることができた。

どなたか忘れましたが、ありがとうございます。感謝、感謝!!


【本ブログ内関連記事リンク】

祝 富士山世界文化遺産登録 -世界遺産をおさらいする

世界遺産富岡製糸場 ― 殖産興業と工女 「花燃ゆ」の時代

ほか、文化遺産、自然遺産のブログ記事多数





nice!(60)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学問

花菜ガーデンのユリ [日記・雑感]

前回記事で、イギリスの王立キュー植物園に触れたけれど、今回も植物園。

先日の梅雨の合間の暑い日に、神奈川県立の花菜(かな)ガーデン(平塚市)に行ってみた。

正式名は、「神奈川県立花と緑のふれあいセンター 花菜ガーデン」といい、9ha以上の広大な園内は季節ごとの草花や花木が展示されている「フラワーゾーン」と農業や園芸などを学ぶ「アグリゾーン」、さらに展示室や調理室、図書館などの「めぐみの研究棟ゾーン」から成る。

下↓は、入口部の研究棟ゾーン

s-DSC01286.jpg

本当は1000品種以上というバラを見ようと思ったのだが、やや時期も遅く、代わりにユリが盛りだった。もちろんバラも咲いてはいたけれど。

s-DSC01265_2.jpg

代表的なのは、やはりヤマユリ。純粋の日本産ヤマユリかどうかは不明だけれど、オリエンタル系とか。
ブログでは香りをお届けできないのが残念だ。

s-DSC01267.jpg

ほかにも、ササユリやカノコユリ、カサブランカなどのピンクやイエロー、ホワイトの色とりどりのユリが咲き乱れていた。

写真は広い園内のユリのほんの一部。
暑いので、風通しの良い木陰の小高い丘に咲いていたユリだけで失礼!

s-DSC01272.jpg

s-DSC01273.jpg

s-DSC01270.jpg

s-DSC01274.jpg

s-DSC01285.jpg

s-DSC01281.jpg


木々の合間には、まだアジサイも。

s-DSC01277.jpg

美しいブルーのアジサイは、その名もハワイアン・ブルー。

s-DSC01275.jpg


昨年は、箱根湿性花園でもニッコウキスゲやヒメサユリ(オトメユリ)も見た(「青いケシの花に誘われて」)。

s-DSC08038.jpg

s-DSC08087.jpg


でもやはり、植物園ではなく、自然の中で野生のユリを見た~い!!!!

写真は、昨年の尾瀬でニッコウキスゲ(上)とクルマユリ(「夏の想い出 - 久しぶりの尾瀬訪問」)。

s-DSC08594.jpg


s-DSC08595.jpg



(追伸)
昨晩(7月16日)のNHKBSプレミアム 「体感!グレートネイチャー」で、ボルネオ島の石灰岩洞窟と熱帯林研究用のクレーンが出てきました。

巨大石灰岩洞窟があるのは世界遺産にもなっている「グヌン・ムル国立公園」、林冠研究用クレーンがあるのは「ランビル・ヒルズ国立公園」で、ともにマレーシアのサラワク州。

本ブログでは、グヌン・ムルではないけれど、ツバメの巣もある石灰岩の巨大洞窟がある「ニア国立公園」と林冠クレーンのある「ランビル・ヒルズ国立公園」を紹介しているので、よろしければご覧ください。

s-DSC00139.jpg


s-DSC00434.jpg



【本ブログ内関連記事リンク】

碧い宝石 ヒスイカズラ

アジサイとシーボルト  そしてプラントハンターと植物園

青いケシの花に誘われて

巨樹との再会に思う

夏の想い出 - 久しぶりの尾瀬訪問






nice!(48)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学問

偉大な英国、強大な米国?  ― 英米の選挙に思う一国至上主義の復活と環境問題 [地球環境・環境倫理]

本日は参議院議員選挙投票日。

日本の選挙だけではなく、英米でも首相、大統領の選挙が話題となっている。

英国では、EU離脱問題に端を発した国民投票により、思いがけず離脱派が過半数を制してしまった。
国民投票のやり直し(再投票)を求める議会HPの署名も400万件を超えているというが、それこそ後の祭りだ。

首相退陣を決めたキャメロン首相の後継となる保守党党首選挙は、二人の女性候補の決戦となり、故サッチャー首相以来の約26年ぶりの女性首相誕生となることが確実という。

EU離脱派の理由にはいろいろとあるようだが、その根底には古き良き「大英帝国」よ、もう一度という思いがあったのは間違いないだろう。

その大英帝国時代の象徴として「大英博物館」がある。世界各地からの美術品や考古学資料など、約800万点が所蔵され、常設展示だけでも約15万点という。
これらの収蔵品は個人や収集家からの寄贈によるが、大英帝国時代に植民地などから略奪されたものが多く含まれているのも周知の事実だ。

世界各地からの略奪収集といえば、大英博物館だけではなく、「王立キュー植物園(キュー・ガーデン)」も同様だ。

プラントハンターによって世界各地で採取された植物・生物資源は、各地の植物園を中継し、そこで順化されて、再び植民地のプランテーションなどで生産され、大英帝国の繁栄に一役買った。

その中には、大英帝国の植民地だけではなく、アマゾン流域原産のゴムのように、他国の植民地(アマゾン流域はポルトガルの植民地)からの密輸もあった。

s-s1-ゴムプランテーション(3)DSC00142.jpg
英国によりアマゾンから密輸されて東南アジアに広まったゴム園(インドネシアにて)

キュー植物園は、こうした大英帝国が世界各地に張り巡らした植物園ネットワークの中心だった。キュー植物園内には、現在でも大英帝国ビクトリア朝時代に建設された「パーム・ハウス」という温室などが残されている。植物園全体は、2003年に世界遺産に登録されている。

s-s1-キュー植物園CCI20140111(1).jpg
ビクトリア朝時代の大温室パーム・ハウス(キュー植物園にて)

生物多様性条約では、こうした原産国の権利を無視した生物資源(遺伝資源)利用に対して、資源利用から生じた利益の還元などを目的の一つとしている。

2010年に名古屋で開催された「生物多様性条約COP10」では、遺伝資源へのアクセス(利用)と利益還元の方策を示した「名古屋議定書」が採択された。(詳細は本ブログ記事、「名古屋議定書採択で閉幕 COPの成果 -COP10の背景と課題(3)」参照)

s-DSC00628.jpg
名古屋議定書も採択されたCOP10(名古屋国際会議場にて)

先進国といわれる国々は、かつての大英帝国のような振る舞いは許されない。


一方、米国大統領選でも、トランプ旋風が吹き荒れている。
トランプ候補の主張も、尽きるところ強いアメリカの復活だ。

かつて、地球環境に関する条約でも、ブッシュ親子の大統領時代に一国至上主義によって、条約の実施が危ぶまれる事態となったことがあった。

父親のブッシュ大統領は産業経済界の意向を受けて、1992年に成立した「生物多様性条約」への署名を見送り、米国はいまだに条約に加盟していない。(詳細は本ブログ記事、「地球環境と一国至上主義(その2)  生物多様性条約と名古屋議定書をめぐって」参照)

息子のブッシュ大統領も大統領就任後わずか2か月で、地球温暖化防止のための「京都議定書」(1997年)から離脱表明した。(詳細は本ブログ記事、「地球環境と一国至上主義 (その1)  気候変動枠組条約と京都議定書をめぐって」参照)


自国を良くしたいと思うのは、誰でも同じだし、大事なことだ。
しかし、グローバル化した現代、自国だけに目を向けて満足するわけにはいかない。

地球環境問題はなおさらだ。

自分は犠牲を払わずに、その恩恵だけを得ようという人々、国々をフリー・ライダー(タダ乗り)という。

類似の用語に、NIMBYもある。こちらは、ごみ焼却施設などのように生活には不可欠だが、それが自分の近くに設置されるのには反対する態度を表している。英語の"Not in my back yard"(自分の裏庭は嫌だ)の略だ。

どちらも、利己主義であり、国レベルとなれば一国至上主義となる。

英国、米国の選挙も、そして日本の選挙も、争点は別のところにあるが、一国至上主義には陥らないように願いたい。

もっとも、自国の拡大・強大化を顕示して一国至上主義化しているのは、当面は選挙のない隣国・周辺国も同じだけれどもね。


【本ブログ内関連記事リンク】

アジサイとシーボルト  そしてプラントハンターと植物園

ABS論争も先送り 対立と妥協の生物多様性条約成立 -COP10の背景と課題(2)

名古屋議定書採択で閉幕 COPの成果 -COP10の背景と課題(3)

生物資源をめぐる国際攻防 -コロンブスからバイテクまで

地球環境と一国至上主義 (その1)  気候変動枠組条約と京都議定書をめぐって

地球環境と一国至上主義(その2)  生物多様性条約と名古屋議定書をめぐって

見返りを求める援助 求めない援助

地球温暖化「パリ協定」 なぜ今?に迫る -その1 条約採択と京都議定書

地球温暖化「パリ協定」 なぜ今?に迫る -その2 なぜ歴史的合意か

お天道様が見ている -公と私の環境倫理

選挙と生物多様性





nice!(59)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学問
前の3件 | -