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ランドセルと多様性 [ちょっとこだわる:民俗・文化・紀行・時事など]

 新年度が始まり、新入生や新社会人も張り切っているに違いない。
小学1年生が背中一杯の大きなランドセルを背負って元気に登校している姿を見るのは、何とも微笑ましい。

 そのランドセルも、私たちの頃と比べると、ずいぶんカラフルになってきた。
なかでも女生徒には水色が目立つ(あとピンク色も)のは、私の居住地での流行だろうか。

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女児にカメラを向けると通報されそうで写真はありません(笑)
フリー素材を使用させてもらいます


 私の頃は、男子は黒、女子は赤、と相場は決まっていた。
下手に変わった色のランドセル(そもそもなかったが)でも背負おうものなら、生徒だけでなく、親までもが変わり者と思われただろう。

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私の子どもが使用した四半世紀前のランドセル


 そんな時代からみれば、ずいぶんと選択の幅も広くなってきた。

 しかし、個性を尊重するなら、売る方も買う方(選ぶ方)も、水色やピンク色以外に、黄色や緑色、紫色など、さまざまな色のランドセルがあってもよいと思う(ひょっとするとあるのかもしれないが)。

 なぜ例の女の子たちは、揃いも揃って水色(せいぜいピンク色)だったのだろうか。

 きっと孫のランドセルを買ってあげる祖父母の意識が、まだそこまでのカラフルさを受け付けないのかもしれない。あるいは選ぶ子供たちも、自分の好みとは別に、あまりに他人とかけ離れた色には抵抗があるのかもしれない。メーカーも、販売数の少ない色を取りそろえて生産する余裕もないのかもしれない。


 小学生の通学カバン。海外ではどうだろう。
 それほど多くもない観察事例だが、西欧ではむしろ上流階級(?)の私立学校で制服が決まっていることが多いが、カバンまでは決められていないと思う。

 決められているわけではないと思うが、国際会議で訪問したノルウェーでは、凍り付いた道路を歩くのに両手を空けておいた方がよいのか、フレーム付きのリュックが流行っていたようだ。

 意外だが、むしろ途上国の方が制服らしいものが決まっている例が多いように思う。しかし、カバンまで決められているというのは記憶にない。


 私が研究で通うインドネシアでは、制服は決まっているが、ランドセルに相当するのは思い思いのリュックだ。「制服の多様性と画一性 ―インドネシア 多様性の中の統一

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この地域の小学生はショルダーが流行り?
(インドネシア・ジャワ島で)

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思い思いのリュックやショルダーを
(インドネシア・スマトラ島にて)

インドネシアの小学生は赤いズボン・スカートが制服(上の写真も)

 国際学会で昨年訪問したブータンでは、やはり制服代わりの伝統的民族衣装と弁当を入れるカラフルな手提げカゴが定番で、あとはリュックだった。「ブータン報告 その2
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弁当用のカラフルな手提げカゴとリュック

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男子も弁当用の手提げカゴにリュック

女児は「キラ」男児は「ゴ」という伝統民族衣装が制服
(上・下とも、ブータンのブムタンにて)


 どこでも、緩やかな規範や流行の枠内で、それぞれの個性を発揮しているようだ。これこそ、まさに多様性というものだろう。

 件の水色のランドセルに関しては、たまたま私が目にした近所の小学校での流行色が、水色だったということかもしれない。

 しかし、小学生のうちから、自分の好み、個性よりも、流行を追って画一化するようでは、その後の意識と行動も推して知るべしというところだ。これも、親や祖父母によって形成されていくのかもしれないが。

 いやいや、ランドセルの色の前に、いつまでも兵隊の背嚢の名残りを背負うこと自体から多様化しないとネ。
 
 とも思うが、最近は外国人にまでこのランドセルが“クール”と称賛されているらしいから、わからないものだ。



【ブログ内関連記事】

タイガーマスク運動 ―ランドセルと多様性

制服の多様性と画一性 ―インドネシア 多様性の中の統一

ブータン報告 その2

形から入る ―山ガールから考える多様性

 

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行った と・こ・ろ [日常雑感など]

 3月もあと数日で終わり。新年度となり、あわただしくなる。
 
 この5年間ほどは、毎年2月、3月の春休み期間には、科学研究費などの調査で海外、特にインドネシアに出かけていた。
 しかし今年は、科研費の最終年でもあり、この時期の海外調査はしなかった。

 その代わりというわけでもないが、2月と3月に国内の仕事などで出かけた主なところをまとめて一挙大公開?
 時期外れの内容でスミマセン。

 JICA北海道国際センターでの研修(2月8日実施)講師として札幌に出向いた。例年講師をしている途上国の国立公園管理官などに対しての「協働型管理に向けての保護地域ガバナンス」についての講演だ。

 いままでは秋に実施されていたが、今年度は11月の世界国立公園会議(ブログ記事「第6回世界国立公園会議 inシドニー」参照)などとの日程重複もあり、この時期となった。

 2月初旬の札幌と言えば、「雪まつり」。研修の合間に大通公園の雪まつり会場に足を運んだ。

 研修前日の2月7日(日)、何とこの時期には珍しく雨!! さっぽろテレビ塔に向かう人の波も雨傘。

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 季節外れの暖かさと雨のため、融け出す雪像もあったと、翌日の新聞では報じられていた。

 おかげで、8日の研修当日は、南郷のJICA研修所周辺の道路は、凍り付いてツルツルで歩くのに難儀した。さすがに札幌市内中心部の歩道は、除雪されていて乾いていたけど。

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凍り付いてツルツルの道路



 雪まつり会場の巨大な雪像(ごく一部ですが)。

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スターウォーズ

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サザエさん一家
手前で歌っているグループと比べると大きさがわかる?

 ついでに、時計台や道庁赤レンガ館にも。

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時計台

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道庁赤レンガ館

 歩き疲れたところで、自家焙煎のコーヒーとシフォンケーキで、ホッと一息。

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 2月中旬には、私的な旅行で房総へ。

 東京湾アクアラインを経て館山へ。館山城には、『南総里見八犬伝』ゆかりの展示品が。

 NHKテレビで放映していた人形劇の人形も展示されていたが、撮影禁止。幼かった子供たちが楽しみに観ていたが、ナレーションが坂本九だったのを今にして確認した。そういえば、そんな声の記憶もある。

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東京湾アクアライン 海ほたる (遠方が房総方面)

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館山城(八犬伝博物館)

 房総里見氏の八遣臣の墓が城から下がった林の中にある。
 徳川幕府の外様大名取り潰し策により、伯耆の倉吉に改易させられて悲運のうちに若死にした主君と殉死した八人の家臣。その家臣の墓から密かに分骨したのがこの墓。
 後の南総里見八犬伝の八犬士のモデルになったという。

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館山城址内の城から少し離れたところにある

 
 房総半島最南端の白浜野島崎灯台へ。

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後方は野島崎灯台


 温暖な房総半島は、花の産地としても有名(房総フラワーラインの途中で)

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 3月3~4日には、環境行政学会総会で埼玉県飯能市を訪問し、市役所の案内で「ひな飾り展」を見学した。市では町おこしの一環として、この時期に「ひな飾り展」を開催している。
 今年で10回目という。市内の商店、個人宅などでひな人形を飾り、観光客を誘致しようというものだ。

 かつて絹織物産業で栄えた面影を残す店蔵「絹甚」(現在は市が管理)には、店一杯に市民から寄贈された段飾りが。

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絹甚のファサード(正面)
立派な“うだつ”が上がっている

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店内のひな飾り

 個人商店でなどにも、それぞれ代々受け継がれてきたひな飾りが。

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 3月中旬に会合で湯河原温泉に行った折、「首大仏」として知られている福泉寺に立ち寄った。

 いまだに茅葺屋根の本堂も趣がある。

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 その左手奥(道路入り口からは正面)に、2.5mもの陶製大仏の頭部がある。首部分だけでも迫力があるが、陶製というのも珍しい。

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 尾張藩の初代藩主で尾張徳川家の始祖となった徳川義直。
 その子、光友の母は側室だった。出産の際に自分は卑しい身分だから股間から生むことはできないと言って、自ら腹を切って光友を生んで絶命したと伝えられている。

 後に徳川光友が母を偲んで渡来人の陶工に作らせたのが、陶製の釈迦如来像。
 名古屋城内に安置されていたが、紆余曲折の末、なぜか頭部だけが当地の福泉寺に奉納されたという。

 国内にも、まだまだ行きたいところはたくさんある。
 今年は海外はもちろん、国内ももっと旅行をしたいものだ。

 新しい発見が、またあるかもしれない。

 【ブログ内関連記事】

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博多の社寺と巨樹 ミニ探訪
原爆ドームと被爆樹木 -世界平和への願いを込めて
震災被災跡地の風化 -被災地訪問記1
ジパング黄金伝説 玉山金山と竹駒神社 -被災地訪問記3


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 世界は自然保護でなぜ対立するのか。スパイスの大航海時代から遺伝子組換えの現代までを見据えて、生物多様性や保護地域と私たちの生活をわかりやすく解説。
 JICA研修での講義内容の保護地域ガバナンスのほか、生物多様性の必要性、三つの共生なども。

 本ブログ記事も多数掲載。豊富な写真は、すべて筆者の撮影。
  
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