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『生物多様性と保護地域の国際関係 対立から共生へ』出版 1 [生物多様性]

 これまでのブログの末尾に掲載してきた拙著『生物多様性と保護地域の国際関係 対立から共生へ』(明石書店 2014年3月発行)を紹介させていただく。

生物多様性カバー (表).JPG
表紙カバー
写真は、“共生”の姿を示すカプールの林冠(マレーシア森林研究所にて)



 本書は、このブログでもたびたび取り上げてきた「生物多様性」とその保全のための「自然保護地域」の誕生から現代までの変遷を、国際的な視点から取り上げ、解説したものだ。

 2010年に名古屋で開催された生物多様性COP10では、「名古屋議定書」と「愛知目標」が採択されたが、その合意までには、なぜ参加国間で意見対立があったのか。そもそも、生物多様性とは一体何を意味するのか。誰もが異存ないであろう生物多様性の保全や保護地域の拡大を世界各国はなぜ一体となって推進できないのか。私たちの生活とどのような関係があるのか。

 本書では、これらの疑問に対して、できるだけ平易に解き明かすため、一般的にはあまり知られていない生物多様性と保護地域の光と影、すなわち、生物資源やその原産地でもある自然保護地域を先進国の視点から支配してきたことから生じた先進国と途上国の相克を解明することとした。

 本書は4 部13 章で構成されている。その内容の多くは、私がこれまで専門誌などに発表してきた論文などと、それを一般の方々にもわかりやすく書き下した本ブログ記事がもととなっている。つまり、論文 → ブログ記事 → 出版 という過程を経ている。

 もともと、このブログも「生物多様性」や「国立公園」などを少しでも多くの方々に知ってもらい、理解していただこうと始めたものだけどね。

 目次(記事末尾)をご覧いただくとお分かりのとおり、本ブログ記事の題名と同様の節も多い。したがって、本を購入しなくても、ブログで読めばよいという方もいるかもしれない(笑)。確かにその通りです。しかし、書物になれば、断片的な記事ではなく、系統だった内容を理解することができるかと思う。いや、理解していただきたく、本書を出版した次第だ。

 今回は、本書の第Ⅰ部について紹介する。第Ⅰ部では、植民地時代の生物資源をめぐる争いや生物多様性条約の成立など、生物多様性をめぐる国際関係をみる。

 コロンブスのアメリカ大陸到達とその後の大航海時代における西欧諸国による食料品や医薬品の原材料となる生物資源の支配は、現在でもグローバル企業などを介して続いている(第1 章)。


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大航海時代の先駆け、コロンブス像(バルセロナスペインにて)
右手は、アメリカ大陸を差しているという

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今も残るオランダ東インド会社の建物(ジャカルタ・インドネシアにて)

 現在の私たちの生活も、これと無縁ではなく、生物多様性の喪失にも加担しているといえるが、なぜ保全が必要なのだろうか(第2 章)。
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マングローブ林を伐採して造成されたエビ養殖池(スマトラ島・インドネシアにて)


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見渡す限りのアブラヤシ・プランテーション
スナック菓子やカップラーメンなどの油脂に使用される

 その生物多様性保全概念の醸成を国際的な環境政策の変遷のなかで明らかにする(第3 章)。

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初めて「持続可能な開発」の用語を使用した「世界保全戦略」(1980年)



 また、生物多様性条約の成立に際しては、保全と利用をめぐって、名古屋COP10 での対立の背景ともなる大航海時代にまでさかのぼる先進国と途上国の軋轢があった(第4 章)。

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名古屋COP10会場(2010年)(名古屋国際会議場にて)



  【目次】

  第Ⅰ部 生物多様性をめぐる国際関係

  第1章 生物資源の利用と交流
     大航海時代と植民地──生物多様性をめぐる覇権争い
     日本にも来たプラントハンター
     先住民の知恵と現代のプラントハンター
     バイオテクノロジーとグローバル企業
     INBio-メルク社契約とパラタクソノミスト 
 
  第2章 生物多様性の喪失と保全
     生物資源利用と生物種の絶滅
     私たちの日常生活と熱帯林の破壊
     そのエビはどこから?
     生物多様性の価値
     生物多様性の保全はなぜ必要か
     生物多様性の倫理学
     生物多様性保全の二つのアプローチ
     保護から保全へ、さらに再生へ

  第3章 生物多様性概念の醸成と政策の変遷
     自然観の変遷
     国際環境政策の潮流
     生物多様性の国際会議・条約の変遷
     生物多様性概念の醸成
     国際生物多様性政策の転換点

  第4章 生物多様性条約と南北問題
     生物多様性条約
     条約交渉と南北問題
     遺伝子組換え生物とカルタヘナ議定書
     名古屋COP10への道のり
     “MOP5”って何?
     COP10の成果──名古屋議定書と愛知目標

  第Ⅱ部 国立公園・自然保護地域をめぐる国際関係  (略)

  第Ⅲ部 インドネシアの生物多様性保全と国際開発援助  (略)

  第Ⅳ部 対立を超えて──生物多様性・保護地域 その新たな役割と期待  (略)


  今回の【ブログ内関連記事】の紹介は、該当記事が多すぎるため、上↑の目次にいくつかリンクしてみました。
  内容の例として、ご覧下さい。

  割引価格でのご提供を↓コメントに書きました。


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ダイヤモンド富士 in湘南海岸 [日常雑感など]

 ダイヤモンド富士写真を撮った。富士山の山頂と太陽が重なるのを称して、ダイヤモンド富士という。
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 私の居所からは日没時のダイヤモンド富士となる。3月末から散歩・スロージョギングに出かけては、まだかまだかと待っていた。
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春分の日に近くの川の橋上から
 
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4月1日でもまだまだ(湘南海岸から)

 やっと良いタイミングになってきたと思ったら、本日4月4日は天気予報では雨とか。
 諦めかけていたけれど、予報に反して湘南海岸から富士山に沈む日没をみることができた。

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 この日を待っていたのは皆も同じ。今日はカメラを構えた人がたくさんいた。
 明日はもっと良い太陽位置になるかな?
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 ダイヤモンド富士の名所、静岡県富士宮の田貫湖では、4月と8月に富士山山頂からの日の出を見ることができる。その時には、それこそ大砲を抱えたたくさんのカメラマンで、身動きもできないほどだという。
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田貫湖からの富士山
ここからのダイヤモンド富士(日の出)が有名


 昨年、世界文化遺産に登録された富士山。今年も多くの人が富士山のさまざまな光景に見とれることだろう。

 私は世界文化遺産登録に向けた静岡県学術委員会委員を委嘱されていた。世界遺産への登録も終了したので、先日、川勝平太 静岡県知事から感謝状が贈呈され、8年間に及んだ委員会は解散した。

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静岡県庁での感謝状贈呈式の帰りの新幹線から富士山(富士市付近)



 委員会は終了したけれど、ダイヤモンド富士は永遠に!!


 【ブログ内関連記事】

 「祝 富士山世界文化遺産登録 -世界遺産をおさらいする
 「富士山 世界文化遺産登録へ -その秀麗な姿と信仰と芸術の源泉、そして自然
 「富士山入山料 -国立公園の入園料と利用者数制限
 「世界のフジヤマ、天下の険 箱根、そして踊子の伊豆 -国立公園 人と自然(10)富士箱根伊豆国立公園


s-生物多様性カバー (表).jpg 【書籍出版のお知らせ】

 『生物多様性と保護地域の国際関係 ―対立から共生へ―』
   明石書店より3月25日発行
 ブログ記事で解説した内容なども多数、体系的に掲載 
 平易な解説と物語の一般読み物としてもどうぞ

 富士山世界遺産の解説も!!


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